Justice - Law & Order
水曜日, 1月 30th, 2008
ファンには馴染み深いオープニング
お気に入りで日頃みているLaw & Order (法と秩序)というTVドラマがあります。ニューヨーク市警本部を舞台にしたアメリカの刑事ドラマです。扱う事件のカテゴリーによってシリーズ化されており、我が家のケーブルテレビの基本パックで観ることができるのは性犯罪・若年被害者などを扱う「Special Victims Unit (= SVU、性犯罪特捜班)」と、通常の殺人事件を扱い、犯人がなぜこの殺人に至ったのかを暴いていく「Criminal Intent (=犯罪意思)」があります。日本でもケーブルかな?放送しているみたいですね。
再放送をほぼ毎日録画しているのですが、今回観た「Criminal Intent」がとても心に残ったので、早速記録することにします。ストーリーと感想なので、つまらないかもしれませんが。。

左からゴーレン刑事、イームス刑事、殺人課キャプテン、地方検事補
コンピュータープログラマーで暗闇閉所恐怖症の兄Robbie ロビー (DJ Qualls)と長年共に暮らしてきた妹は、たまたま知り合った精神科医Katrina カトリーナ(Jennifer Van Dyck)を信頼しロビーに紹介、セッションを開始させる。ある日、彼の働くビルの向かいのITオフィスの若いプログラマーが、帰宅途中の地下鉄の階段で何者かが落とした自動販売機に押しつぶされ死亡。被害者の会社に出入りしていた男性がロビーの同僚だったこと、またロビーが殺人のあった晩に被害者を目撃していたことから、NY市警察殺人課の刑事Goren ゴーレン(Vincent D’Onofrio)とEams イームス(Kathryn Erbe)はロビーに聞き込みを続け、様々な物的証拠からロビーを犯人と断定するが、動機はおろか、彼と被害者を結ぶものが何一つ見つからず…。

ロビー役 DJ Qualls / カトリーナ役 Jennifer Van Dyck
(ここからは相当ネタバレになるので、困らない人だけ読んでね~)
ロビーの行動を追っていくうち、鍵が精神科医カトリーナの自宅で行われた2週間に及ぶ「集中治療」にあることを警察は掴んでいく。彼女はかつて軍の研究施設で働いていた過去を持ち、研究内容こそクラシファイド(軍事機密)として公にされていないものの、「兵士が敵の捕虜となり、拷問を受けても口を割らないようにするための、精神操作の実験」だったのは業界の噂で明らかだった。当時の同僚から、彼女が仕事に嫌気がさし軍を退職、学校に戻って精神科医の資格を得、クリニックを開業したことを聞き出した警察は、彼女がまだ軍部と繋がっておりロビーを実験対称にしていると睨み、家宅捜索を実施する。警察が彼女の家から発見したものとは…?
彼女の家の地下で見つけたのは鍵が何個もかかった不可解な扉。開けるとそこは2畳ほどの広さの、窓のない部屋があった。すえた臭いが部屋中に漂い、それを消すべくかけられたと思われるブリーチ(漂白剤)の臭い、そして中央にはパイプ椅子が一つ、天井にはスピーカーが埋め込まれていた。ロビーの「集中治療」はここで行われ、閉暗所恐怖症のロビーを閉込め、部屋の電気を消し、赤ん坊の泣き叫ぶ声が入ったCDをかけ、自分の意思で排泄することも許されないまま拷問の日々を過ごしたロビー。しかし荒療治と信じているロビーは警察の尋問に決して口を割ろうとはしなかった。セッションから開放されて日常に戻ったロビーは、殺人のあった日、被害者の職場にかかっていた音楽と被害者がヘッドフォンで聞いていた音楽のビートがあの赤ん坊のCDと同じだったことで心のスイッチが入り、音楽をとめたい一心で自動販売機を被害者の上に突き落としたのだった。ロビーは犯行時、善悪の区別がつかない状態・精神不安定であった可能性があるということで、自己防衛が適用されるか否かで不透明のままエピソードは終わったが、そのようにロビーの精神状態を極限に追いやった彼女は、殺人ほう助・監禁傷害の罪で逮捕される。

NY市内ロケが多くて有名らしい(写真は他のエピソードより拝借)
☆ 感想とその他
軍部研究施設時代のカトリーナの仕事は、「どのくらいの拷問に兵士は耐えられるのか、耐えた兵士がその後どういった行動をとるのか」について研究することでした。来る日も来る日も兵士を拷問しなければならなかった彼女は、国を守るための仕事で自分は誇りを持っているのだと固く信じることで日々を過ごしていました。しかしその生活自体が彼女にとっては拷問であり、耐えられず軍を退職したのでした。ロビーに出会ったとき、封印していたと思っていた過去の自分がカトリーナの中に甦ります。それはまるでロビーが「集中治療」のあとに音楽を聞いたことがきっかけで不安定になったように(この治療後の不安定期間を「Psychotic Break」と呼ぶようです)、ロビーの治療の過程が、彼女の中で拷問を与えていた記憶とオーバーラップしてしまうのです。ロビーを治療していると必死で信じているカトリーナでしたが、実際自分がロビーに与えていたものは拷問以外の何物でもなかった、その自分の行為がロビーを殺人者にしてしまった。結局彼女は自分でも気づかないうちに軍部時代の自分のゴールに向かって突進していたのです。
ひと昔前、ブレインウォッシュ(洗脳)という言葉が世間を賑わせていましたね。今はあまり聞きませんが。
きっと世界のどこかで(もしかしたらすぐ近くで)こんな研究はまだ続けられていて、こういう形で被害者が出ているのかもしれません。カトリーナは逮捕されたけれど、彼女も被害者だったのです。ロビーも被害者だった。ここで、観ている側は感情的には二人にとても同情し、責められるべきは軍部でありさらにその先の戦争じゃないか!という感覚になるのですが、検察側の弁護士(地方検事補 Assistant District Attorney = A.D.A.)が、「では殺された被害者への正義はどうなるのか」と問いかけます。動機や理由はどうあれ、殺人を引き起こした、それは紛れもない事実なのだと。それが精神の弱さであろうと何であろうと、選択肢はあったはずで、選択ができたはずなのだと。それがJusticeで、それを守るのが警察の仕事なのだと刑事たちに言い放ちます。
世の中ではいろんな凶悪な事件が起こっています。殺人者は血の通った人間であり、そのほとんどに悲しい背景があり、何もないところから突然起こる殺人はもしかしたら殆どないのかもしれません。通り魔だって、恵まれない家庭環境で育ったことで心が歪んでしまい、ほんの小さなことがきっかけとなって彼らを殺人へと駆り立てたりします。それでも、人の命を奪う権利は誰にもないのです。
Law & Order : Climinal Intent は、まるで殺人者側のストーリーを観客が追体験できるかのように犯人が犯行を犯す理由・背景を克明に追っていくので、ときには犯人が持つストーリーに涙することさえあります。しかし大切なのは、その背景を学ぶことであり、正義を曲げることではないのです。この番組はキャストのセリフを通していつもそれを気づかせてくれます。

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エピソードガイド(英語) -> TV.com

































