Movie - Lars and the Real Girl

2月 26th, 2008

はっはっは~、この映画は面白かった!!
観たのは1月末。実は、ルーマニア映画「4 luni, 3 saptamani si 2 zile (= 4 Months, 3 weeks and 2 days) 」を友達に提案したら「それ暗すぎだし重すぎ。」と一蹴にされたため、代替案でその日に決めて観た映画。しかしこれが大正解だった!(一蹴にされたこのルーマニア映画はカンヌでパルムドールとってるし、まだ観る気まんまんです。→ 一緒に観たい人の連絡求む。)

【ストーリー】
田舎町の兄夫婦の家のガレージに一人で住むLars ラーズはシャイで人とうまくコミュニケーションをとることができないが、仕事もし、毎週教会にも通い、その純粋さで町の人たちに愛されている。ある日「紹介したい人がいる」と兄夫婦を喜ばせたのもつかの間、彼の連れてきたガールフレンドとは、インターネットで注文した等身大セックスドール「ビアンカ」だった!「ブラジルから宣教に来て、英語が話せず、障害のため車椅子が不可欠」と兄夫婦に紹介するラーズ。まるで実際の彼女に接するようにビアンカを愛するラーズを見た兄夫婦は病院へ「2人」を連れていくが、精神科医は「ビアンカは理由があって彼の中に存在している。解決へのチャンスを待つしかない」とし、「彼がその妄想を必要としなくなるまで」ラーズの妄想世界を支援するようアドバイスする。ショックを受けつつも兄夫婦は街中の人に協力を依頼すべく奔走するのだが…。
※ 英語版トレイラーはこちら

現実っぽくない突飛なアイディアで(マネキンじゃなくてセックスドールを注文したところは実は重要なポイント)、家族とは何か、人の優しさや温もりとは?と笑いあり涙ありで問いかける素敵なファミリーコメディです。ラーズの妄想世界を守るうちに、ラーズと兄Gus ガースの過去、彼らが幼い頃に他界した母親との繋がりなどが複雑に絡み合っていることが判ってきます。
また「妄想世界を守る」のも小さな田舎町だから実現する話で、住人達がラーズを傷つけないように奮闘しつつ2人の姿から何かを学び取っていく様子なども、笑いの中にもホロリとさせられる温かいものがあります。

また、なんといってもメインの3人;ラーズ(Ryan Gosling ライアン・ゴズリング)とガース(Paul Schneider ポール・シュナイダー)、そしてガースの妻Karin ケリン(Emily Mortimer)の演技がとても印象的です。一見すると3人ともチカラの抜けた田舎の人っていう感じなんだけど、対人恐怖症で常に緊張しつつも孤独を抱えているラーズ、過去の弟との関係に負い目を感じ現在のラーズの状況に責任を感じているガース、そんな2人を静かに見守りながら家族としてできることは何かを常に模索しトライし続けるケリン、それぞれ3人のいい感じのチカラの抜け具合と間合いのお陰で、笑わせられつつもいろんなことを真剣に考えさせてくれます。

Lars and the Real Girl」は、アカデミー賞でもオリジナル脚本賞にノミネートされ惜しくも受賞は逃しましたが(「JUNO / ジュノ」が受賞)、その他さまざまな賞の受賞・ノミネートされています(主演男優賞を獲得したものもあります)。日本では今年、渋谷シネクイントにて公開されるそうです(邦題未定とのこと)。おすすめです!

Movie - The Kite Runner

2月 25th, 2008

 
映画のポスター / 原作本表紙

ここのところ、最近みた映画は自分の中で結構ヒットしています。観たものを全て記事にしたいくらいですが、なかなか追いつかず。。でも、この映画「The Kite Runner」はきちんと自分で覚えていたくて、重い腰を上げて書くことにしました。
原作は日本語版(表紙安易すぎか考えなさすぎ…)も出て、映画はつい最近、都内の単館系にて公開されたようですね。

【ストーリー】
アフガニスタン首都Kabul カブールの中心地で厳格な実業家を父として生まれ育った少年Amir アミールと、使用人の息子で常にAmirに付き添い親友のようにして育ったHassan ハッサン。Hassanのもつ誰からも愛される大らかな性格、正義感、凧揚げの天分の才へのAmirの尊敬と羨み、さらに裏切りという苦い過去を抱えつつ、1979年のソ連アフガン侵攻を機に情勢の危うくなったアフガンを離れ父と共にアメリカへ移住するAmir。20年後、成長したAmirはその過去と対峙するべくタリバンが勢力を誇るアフガンへ命をかけて戻ることに…。
※ 日本公開のトレイラーをみる - > こちら

原作はKhaled Hosseini ヘイルド・ホッセイニ(日本ではKを発音し「カーレド」と読んでいるようです)の処女作として2003年に英語で書かれ出版されており、本の主人公同様作者自身もアフガニスタンで生まれ育ちアメリカに移住しています。この時期にアフガニスタンを舞台にした映画というと何だか現在のアフガンの不安定な政治情勢や他国の干渉を批判もしくは肯定する平和主義映画なのかなと思いがちですが、確かにそういったメッセージも含んでいるのかもしれませんが、もっと人間の中身にぐっと焦点を当てており、悲惨な状況下でそれぞれ懸命に生きている人々の心を追っている素晴らしいストーリーだと思います。

過去に犯した過ちがほんの小さなことであれ、そによって起こった悲劇は変えることはできないけれど、その後の人生の中でどう生きていくかによって、過去を引きずり続けるのか、フタを閉めるのか、もしくは決着をつけ前向きに歩くようになれたりするんだなぁって気づかされます。その過ちは子どもだろうが、おとなだろうが、裕福だろうがなかろうが、するときはするし偶然が重なって避けられないこともある。。
そう考えると、はじめはこそばゆいと感じた邦題も、かなり納得のいくものではあります。

※ 主人公Amir(大人)を演じた俳優Khalid Abdalla ヘイリッド・アブダラのインタビュー(英語)はこちら

トレイラー(英語版)はチェックしていなかったけれど、観た一番の動機は原作でした。昨年1月に受講したESLの教科書に採用されていたのです。抜粋されたその部分だけ読んで、短いながら登場人物の人間模様や心の動き、情景や時代背景が丁寧かつ鮮明に描かれており素晴らしい本に違いないと確信していました。実際本を買ってすぐに夫側の家族に貸してしまったので結局まだ読めていないのですが、本が帰ってきたら映画に出ていた景色を思い浮かべながら読みたいと思っています。
映画の中の舞台はとても美しく(特に凧揚げ大会のシーン)、タリバン勢力化に設定が変わってもその殺伐とした風景を疑いもなく観ていたのですが、後で知って驚いたのは撮影のほとんどが中国で行われたということ。確かにアフガニスタンでの映画撮影は事実上無理なのでしょうが、中国とは!そういえば、アフガニスタンではこの作品の上映も禁止されたのだとか。描き方的にタリバンに対してかなりチャレンジャーだった気はするけど。。

多くの俳優さんたちが初めてなのか、IMDbの記録に残っていないだけなのか判らないのですが、子役たちはきっと初めてなのでしょう。とても活き活きと輝く演技で(素かもしれない)、観る側も物語にすんなりと入り込めた気がします。特にHassan役の子どもが素晴らしかった(写真右上)!!!それと主人公Amirの父親( ↓ )。

ひとつだけ残念だったのは、このタイプの凧揚げ(Kite Fighting、アフガンのものはAfghan Fighter Kiteとして区別されているようです)についての詳しい説明がされていなかったこと。1人が糸巻き(Spool)を持ち、もう1人が糸を掴んで凧を操縦することは観ていれば何となく掴めると思いますが、重要なのは凧糸は他の凧と糸を切合う戦いをするため砕いたガラス(グラスファイバーなど)で綿もしくはナイロンの糸をコーティングしてある、という点です。操縦する側は素手で糸を掴む(現代ではもしかしたら手袋でもしているのかも?)ため、通常の状態はもとより、風に乗れば糸が引かれてグラスファイバーによって手や指を切ってしまうのです。


左:操縦者はこのように糸を持ち凧を操る (クリック拡大)
中・右:補助者は両手で順手もしくは逆手にスプール(糸巻き)を持つ

つまり、凧揚げの勝者になるためにはその苦痛とも戦い続けなければならないということです。風を読み、凧を操り、多くの敵を切り落とすうちに、凧糸を操る指も手のひらも血だらけになり、その痛みは相当なものになるはずです。それだけに、勝者は勇者と街中に認められることになります。劣等感を常に持っていたAmirは、少年時代に大会で14の凧を切り優勝した父親に対して「自分がどれだけ男らしく貴方の息子としてふさわしいか」ということを誇示すべく、なんとしても勝たなければならなかった。原作では、その痛みに耐えつつ血だらけになった糸を必死で掴むAmirと、彼の気持ちを十二分に察してそれを見守るHassanの様子が克明に描かれています。
捻じ曲がった親子の関係は丁寧に書かれていたものの、この種の凧上げに縁のない人にはそこまで理解できないと思うので、凧屋のおじいちゃんのセリフの中一箇所だけでもいいから入れたら良かったんじゃないかなと思いました。

※ 凧を揚げている様子がわかるトレイラーはこちら


TIME誌ウェブサイト”Oakistan tackles killer kites”より

しかし本当に危険らしく、パキスタンでは2003年にメタルファイバーを使った糸での凧揚げ中に、対戦相手の喉を切って死亡させてしまい、殺人として扱われたケースがあります→しかも何件も同時に起きており、被害者の中には子どもも数人含まれるとか)
またこの事件からも想像できるように、凧揚げ大会というと広い野原や海などの会場を想像しますが、アフガニスタンやパキスタンなどでは揚げる場所は様々。人の家の屋根に乗っている子どももいれば、そのへんの道端や狭い路地から揚げている子、小さな広場から揚げている子もいて、また移動も自由なようです。


こんなに沢山の凧が一同に空を舞う

アフガニスタンではGudiparan Bazi、パキスタンではBasantなどと呼ばれ、スポーツの一種とされているようです。(アフガンタリバン統治下では禁止されていた時代があったとか)

※ 映画「The Kite Runner」はアカデミー賞2008にてアカデミー作曲賞(Best Achievement in Music Written for Motion Pictures, Original Score)にノミネートされました。作曲家Alberto Iglesiasゴールデングローブ賞2008ならびに英国の映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA=British Academy of Film and Television Arts)賞にもノミネートされたその美しい音楽の一部は公式ウェブサイトを訪れ「Enter Site」をクリックすると別画面が開き流れますのでぜひ聴いてみてください(SoundをONにする)。

※ また、Hassan役のAhad Khan Mahmidzadaくんは、2007年のブロードキャスト批評家協会(BFCA=Broadcast Film Critics Association) Critics’ Choice Award(評論家賞?)の「Best Yong Actor」に選ばれたそうです。うん、納得。

多くの人たち、特に過去の苦い思い出を抱えて生きている大人たちにぜひ、大切な人と一緒に観てもらいたい映画のひとつです。

So Beautiful..

2月 23rd, 2008

皆既月食の記事をアップしたら、さっそくから「凄い写真みつけた」とメールが来ました。太陽と月が地球を挟んで一直線に並んだとき、月から見た地球と太陽の状態です。


NASAのウェブサイト「Astronomy Picture of the Day (APOD)」より拝借。
(Copyrightの関係上)写真が見れなくなっていたら → こちら
↑ このページのカットも素晴らしいので是非訪れてみて!

それにしても、なんて神秘的でキレイなんだろう…溜め息がでちゃう。
何ていう名前なんだろう。皆既地食(笑)?日食も月食も地球本位の名前なので、月からみた状態のものに正式な名前があるのかどうか知りませんが…、ご存知の方ぜひ教えてください。

Fire Fighting on Queen W.

2月 22nd, 2008

すでにお伝えしたQueen Street West クイーンストリートウエスト(Queen W × Bathurst付近)で発生した火災は消防隊員の懸命な消火活動により21日(木)早朝に無事鎮火しましたが、この消防隊員のすばらしい活躍の様子がTorontoistに掲載されていたので、拝借して彼らの活動に敬意を表したいと思います。
(っていうか写真を勝手に頂戴しているだけという噂も…)

というわけで以下はTorontoistウェブより、撮影はMiles Storey氏。各写真はクリックで拡大しますので、ぜひ大きくして見てみてください。建物や電線、果ては消防隊員のヘルメットからもぶら下ったつららや氷の塊をくっきり見ることができます。

消防士は、季節問わず本当にハードな仕事ですよね。日本でも友人が消防士として活躍していますが、危険と常に隣り合わせな日々を送っているんだろうに、そのガッツと温厚な人柄にはいつも敬服です。

付近の写真が続々とFricrにアップされているので、「Queen Fire」の検索リンクを貼っておきます。火事の直接現場だけでなく、消化用水がかかって凍ったりしている付近の建物の状況などもみることができるようです。


これもFrickrから拝借☆

出火原因や出火元に関しての続報は、公式に解明された後に機会があったら掲載しようと思っています。トロントに住む多くの人が同じ気持ちだと思うのですが、このエリアの雰囲気が好きで(夫は嫌いらしいけど)付近にある小さなカフェやウィンドゥショッピングによく行っていた私としてはショックだったということで、ブログに載せることにしました。
一日も早く現場処理が終わり、TTCストリートカー(消火活動のためワイヤーを処理したそうです)も復仇してまた歩ける日が来るのを願いつつ待つことにします。

Total Lunar Eclipse 080221

2月 21st, 2008


皆既月食(Total Lunar Eclipse)

皆既月食(Total Eclipse of Moon)とは、地球が太陽と月の間に入るため、地球の影によって月が隠され、欠けて見える現象をさしています。満月の月が徐々に欠けだし、完全に欠けたあとは、太陽からの光が地球によって屈折し影の中に入るので、赤みを帯びた満月が現れます。(一部分が欠けるものを部分月食と呼ぶそうです)


皆既月食のしくみ

空気が澄んでお天気のいい場合は観測しやすいそうで、当日早朝にダウンタウンで起こった大火事の影響を心配する声もあがっていましたが、懸命な消化活動の甲斐もあったのか、2月20日の夜は観測者を歓喜させたのではないかと思うくらい、トロントでは珍しい、とても美しい星空の夜となりました。まるで消化用水が空気中のほこりを全て取り去ったのかと思われるほど、ほんとうにきれいでした。。(日本では観測できなかったようですが、昨年2007年8月の皆既月食を見た方は多いのではないでしょうか。)

私は友人と出かけていたのですが、レストランを出たときにとってもきれいで白く光った満月と、ならんで光るオリオン座を見ることができました。その後カフェに入り、夜9時すぎにカフェを出たときは月は半分に。その後は映画館に入ってしまったので月食の存在をすっかり忘れていましたが、翌日朝のニュースを見ていたら夜から早朝にかけてとても素晴らしい皆既月食が各地で観測できたようで、テレビ画面には美しいオレンジ色の月が映し出されていました。


今回の皆既月食の工程(NASAの月食ページより)

City TVによれば、20:40頃から月が欠け始め、10:20には完全に見えなくなり、「ラディッシュのような、オレンジのような」月をおよそ50分間に渡って眺めることができたのだとか。全工程にかかった時間はおよそ3時間だったそうで、トロントのthe Ontario Science Centre オンタリオサイエンスセンターでは、the Loyal Astronomical Society of Canadaにより鑑賞会が開催され賑わいをみせていたとのこと。


トロントの隣、ミシサガ市で撮影された今回の月食
CityTV News ウェブサイトより)


昨年8月、トロントにて撮影された皆既月食
CityTV News ウェブサイトより)


同じく昨年8月、シドニーにて撮影された皆既月食。アートだ。。


2007年3月3日に観測された皆既月食。
こう見ると、月食の全工程がとてもわかりやすい。

次の皆既月食は2010年12月まで待たなければなりませんが、その前に皆既日食が今年の8月1日、部分月食が8月16日に見られるそうです。全部・部分を問わなければ、多くの場合月食は一年に2度(3度あるときもあればゼロのときもある)、日食は年に必ず2度(たまに4度のときもある)起こるそうです。


美しいけれど怖いくらいな赤。(注:今回のものではありません)

Massive Fire on Queen W.

2月 21st, 2008

トロントに住んでいる方なら耳にタコができるであろうくらい報道されまくっていたQueen Steet West クイーンストリートウエスト(Queen × Bathurst付近)で2月20日(水)早朝5時半ごろに発生した大火事。このエリアのTTC(ストリートカーやバス)のサービスは止まり、足止めをくらった人も多いのではないだろうか。
この地域は保存エリアに指定するべきとの声もあがっていたほど、ユニーク、もしくはアートなお商や古い建物が建並ぶクイーンストリートウエストの一角。私も活動中のプロジェクトではツアールートに組むなどよく利用していた商店街である。

National Postによれば、当日午後には大半の炎が消し止められたものの、煙がくすぶり続け、最終的に消火活動が終了したのが21日(木)早朝。築100年以上もの古い煉瓦造りのビルに発生した火は、3つのビルの9軒の商店と2階居住部分に瞬く間に燃え広がったようで、建物の崩壊の危険性が大変高かったため消火活動は困難を極めたようだ。
商店の中には40年以上続いていた音響機材の店や、災害保険に加入していなかった店、一点ものの服飾を扱う店一台70万以上もするようなこだわりの自転車を売る店マリファナ愛好家へ各種器具を売る店などがあり、住居や住居を失った人は総勢60人にも昇るなどその被害は非常に大きく深刻なものとなっている。


National Postより(図クリック拡大)

公式発表では火元と原因は捜査が始まったばかりでまだ突き止められていないとのことだが、National Postが掲載している被害状況(2月20日22時付け)をみると、素人でも真ん中のビルが出火元であろう想像はなんとなくつく。真ん中のビルとは、ビデオ屋(Suspect Video → 一風変わった品揃えと怪しい店構えが好きで、私はときどき覗いていた)と音響機器の店(National Sound)であり、この東隣の服飾店(preloved)の女性オーナーの証言や多くのメディアで「火元はNational Sound」とされているようだ。

この地域に住む人がテレビで「(燃えた建物の)関係者や住人はお互いみんな知り合いでとてもよいコミュニティなので残念だ」と話していたが、これだけ被害が大きく、また被害者のやりきれない怒りも伴って、今後 責任の所在や保障をめぐって泥沼になる恐れもでてくるかもしれない。考えすぎかもしれないが、そうなってしまう可能性があるのは残念だと含んでいるように私には聞こえた。

消火活動には30台の消防車、150人の消防隊員を動因して行われたが、現場はWindchill(風が吹いたときの体感温度)が-20℃と大変厳しい寒さの中、建物や木々、電線などにかけられた消化水はみるまに凍りつららが下がり、ユニフォームを濡らして炎に飛び込む隊員も炎から出ると濡れそぼったユニフォームが瞬く間に凍るありさま。その風景はさながらティムバートンの映画の世界に入り込んだかのようである。現在までに消防隊員3人が凍った道路上での消火活動で滑って転倒し軽い怪我を負ったという報道がされている。
※ 消防隊の活躍の写真は次の記事へ


この火事で住居を失った30人は近くのコミュニティセンターに非難し、キリスト教系支援団体Salvationarmy サルベーションアーミー(日本支部もあるそうです。→ 救世軍)の支援を受けているそうだ。またいくつかの地下鉄TTCの駅では募金活動が行われているとのこと。
※ 今回の火事に関するSalvationarmyの支援に関する声明はこちら

Placks and Bawbees Grow Pounds.

2月 16th, 2008

 

“Placks and bawbees grow pounds.”-小銭を大切にすれば大金が独りでに貯まる、ということわざです。

アルク辞典によれば、Plackとはスコットランドで15~16世紀に使用された4ペニー銅貨、Bawbeesもスコットランドの古い硬貨だそうです。『イギリスで1 pound = 100 pennyだが、1971年以前の旧制度では240 pennyに相当した』とあります。「ちりもつもれば山となる」んですね。
※ ちなみにカナダではPenny ペニーは1¢(1セント)硬貨、日本で言ったら1円硬貨で実用硬貨では一番低い価値のものです。100¢は$1に相当します。

 
カナダの貨幣(クリックで拡大します)
注:50セントは存在するけど一般にはあまり流通していません。
100ドル札は小売店などでは嫌がられることも。

私もそうですが、女性は割りと小銭を日々の買い物などで使ってキリのいいお釣りを貰いお財布を軽くしたい人が多いと思うのですが、男性はわりとそうでもないですよね。そういえば男性用のお財布って多くがお札とカード入れのみのデザインで、小銭入れだけ別に持つ人もいますね。
うちの夫も例に洩れず、小銭をポケットに溜め込んできます。毎日20ドル札(それ以上の出費が発生したときはキャッシュカードかクレジットカードで払うので、現金は20ドルでいいそうです)を一枚ぴらーんとポケットに入れて仕事に行き、ランチを買い、仕事の合間に1ドルちょっとのコーヒーを何度か買い…。家に帰ってくるとその小銭をじゃらーんと机の上に出す。で、翌日また20ドル札をぴらーんと持って出かけてゆく。
そのじゃらーんと出された小銭の行き場が結果的に私の財布になり、特に1ドル・2ドル硬貨は大きく重さもあるので最初のうちかなり頭にきていたのですが、財布に入りきらないこれらの硬貨を箱に入れていくうちにこれまたすぐに箱一杯になってしまうので、なら貯まった小銭をまとめて銀行に持っていけばいいんだわ、と小銭貯金を開始したわけです。


さまざまなcoin wrapper

ただ、こちらの銀行は小銭をためた袋をぽんと出しても処理してもらえず、ATMもお札のみなので、市販されている決まった枚数の小銭を巻く紙・もしくは収納する容器に収めてカウンターへ持っていく必要があります(銀行員の仕事の簡略化?)。容器の購入を考えると、貯めるお金はなるべく大きいものだけにしたほうが無駄が少ないと思い、2ドル・1ドル・25セント硬貨だけ貯めることにしました(10セント以下の硬貨はひたすら頑張って使う)。
で、旦那の小銭のみならず自分の財布の中のコインまで入れ始めたら面白いように貯まっていき、数えてみたら半年で500ドル近くになっているじゃないですか!これでクリスマスの大出費がまかなえる!!嬉しい~!と思って、さらに精を出して貯める、貯まる、貯める、。。
忙しくて銀行に行けないでいるうちになんと900ドルまで貯まっており、クリスマス出費はもちろんのこと、洋服ダンスまで買えてしまいました(笑)!イェーイ。

大量の小銭を持ち込む一般人がよほど珍しいのか、私が小銭容器を次々とカウンターに並べていくのを目をまん丸くして見ていた行員さんが「どうやって貯めたの!?」と聞くので、「ほとんどは夫のポケットから」と言うと「そんなポケットを持ってる夫をあたしも欲しいわぁ~」って羨ましがられました(笑)。でも世の中の多くの男性がそうなのではないでしょうか?それともうちの旦那が気にしなさすぎなのか、私が搾取しすぎ(笑)?

しかし「ちりも積れば山となる」んですねぇ、本当に。。
よくホームレスらしき人が道行く人から集めたお金を数えていて、ペニーだけその辺に捨てているのを見かけます。確かに大きな硬貨の方がいいには決まってるけど、小さくてもお金はお金。ペニーだって125枚貯めればコーヒーSサイズ分にもなるのになぁと思うのですが。。もしかしたらエセホームレスだったのかしら。

One Snowy Day

2月 9th, 2008

先日、知人のご主人が急逝され、告別式に出席しました。
本当に突然の、しかも出張中の心臓発作だったということで、
知人はもとより、日本から駆けつけたご主人のご両親も、
悲しみに暮れ、がっくりと肩を落とされていました。
亡くなったご主人はまだ40代、お子さんもいます。
…早すぎる。

告別式では友人など5人のスピーチがあり、参列者の故人との思い出、そして笑顔と涙を誘っていました。(こちらでは故人との楽しかった思い出、故人の素晴らしい人柄についてのエピソードなど思い出を語り合うことが供養とされています)
私は故人と直接の面識は無かったのですが、
祭壇に置かれている故人の素敵な笑顔の写真どおり、
とっても素朴で家族思いのすばらしい方だったのだということがうかがえました。
中でもお嬢さんが(小学生くらいだったと思うのですが)、
「世の中には悪い人が沢山いるのに、どうして私のお父さんなの?」
とスピーチの中でぽつりと言ったときには、心にこみ上げるものがありました。

人間、いつ何がおこるかわからないものですね。
家族想いで働き盛り、スポーツが趣味で健康そのものだったのに、
親より先に逝くなんて、と挨拶に立たれたお父さんはとても小さくみえました。

葬儀の間、外には雪が絶え間なく降り続いていました。

心からご冥福をお祈りします。

Winterlicious - 5th Elementt

2月 5th, 2008

やったー、またまた行っちゃいましたよWinterlicious!!
今度は仲良しグループの中のお二人とともに。
3人とも主婦なので、名づけて有閑マダム会(笑)!?。

今回は本当は普段行かなそうな珍しいお店に行こうという主旨のもと「モロッコ料理」にしようと意気込んでいたのですが、予約電話を入れたら「満席です」。。(号泣)。それもそのはず、このお店普段からコース料理のみの提供で、しかも一日に2度ベリーダンサーのパフォーマンス付き!こういうお店はWinterliciousに参加することが決まった時点で予約がいっぱいになっちゃったりするんでしょうね。。ということで夏のSummerliciousに期待することにしましょう(泣)。
で、散々迷った挙句、ビストロ風のレストラン「5th Elementt」へ。


5th Elementt

お店情報にはFusionとなっているので、ま、「いろいろあります。」ってことかなと勝手に解釈。そしてウェブサイトで見た感じが「おしゃれだけどカジュアル」だったので、ジーンズでも行けそうだと判断。
Winterliciousだからかそうでなくても人気があるのか、予約時間の6時には数組しかいなかったのが、あれよあれよと30分もしない間にホール全て満席、バーカウンターでドリンクを片手に席を待つお客さんまででてきました。この選択は正解だったわと一人で満足☆
しかし決定的な決め手は、コースの選択肢の多さでした。他のレストランは前菜・メインそれぞれ2種類、多くて3種類ずつから選ぶようになっているのですが、このレストランは6種類の選択肢があるのです。


素敵なバーカウンター

まずパンが来ないかわりにスープが運ばれてきました。パンでいつもうっかりお腹いっぱいになっちゃう私には嬉しいサプライズ。どんなスープだったかというと…、とってもお腹が空いていてついがっついちゃったので、写真なしデス。しかし南瓜スープっていうと大抵オレンジで濃厚クリーム系をイメージするけど、これはさっぱりして美味しかった!南瓜というより胡瓜?と勘違いするほど。
「市場の縞南瓜の野菜スープ、パルメザンクラスト添え(Green Market Multi Squash Broth with Parmesan Crustini)」

これは前菜もイケるぞ!との期待を込めウキウキしながら待っていたら、なぜかメインが先に…。びっくりして他のテーブルを見渡すも、他のお客さんもメインから先に食べているようだったので、気を取り直し何事も無かったかのように食べることに。ま、何でもいいんですよ、おいしけりゃ。

私の注文は、ナイフ無しでもつるっと肉が骨から離れてジューシーなラムのすね肉。マッシュポテトはあまり好きじゃないんだけど、どうしてもラムが食べたくて(笑)注文。そしてお友達Aさんとのびちゃんのお料理はフェットチーネにのった鯛!!一口いただいたら、シーズニングが効いていてとっても美味しかったです!


ニュージーランドラムすね肉の蒸し煮、マッシュポテト・フェタチーズ添え
Braised New Zealand Lamb Shank
Mashed potato | Feta cheese


フェンネル(ウイキョウ=ハーブの一種)で覆ったアメリカ赤鯛、
マッシュルームフェットチーネ、トマトとオニオンの甘酢漬
Fennel crusted American Red Snapper
Mushroom Fettuccini | Tomato onion relish

目の前の美味な料理を堪能しながらも、もしかして前菜を忘れられていたりして。。と不安に駆られ、Aさんがウェイターさんに確認。「今ですか?じゃ、持ってきますね」とニッコリ。。なんだ、持ってこれるんじゃん。と安心していたら、運ばれてきた皿がでかかった!!テーブルの上はでかい皿が6枚でいっぱいいっぱいになってしまいました(汗)。でも慌てることはない、とにかく自分のペースで料理を味わいましょう。

ってことでやっと前菜。

まずは私のカルパッチョ(下)。アメリカ牛にインドのキャベツ、そしてイタリアの黒酢っていうコンビネーションが面白い。チャツネっていうのは主にお酢・砂糖・生姜・スパイスなどを使った漬物だそうです。


トリプルA アメリカ産牛ヒレ・ミニヨンのカルパッチョ、
ハイデラーバード(インド南部、アンドラプラデシュ州の州都)キャベツチャツネ、
バルサミコ酢がけ
AAA U.S. fillet mignon carpaccio
Hyderabad cabbage chutney | Balsamic glaze

Aさんの前菜(下)はなんと国産カニ!香ばしくてとってもいい香りがしていたけど、ほじる道具(?)がないので食べにくいとのコメントでした。。


ノヴァ・スコシア産タラバガニの足、生姜マーマレードソース・筍リング添え
Novo Scotia king crab leg
Ginger marmalade | Shoot rings

のびちゃんの注文した海老も美味しそう(下)!Blackenedって「すすけた、黒くこげた」っていう意味だと思うのですが、何て日本語に訳していいのか不明でした。日本だと「炭火焼き」「直火焼き」とか「炉辺焼き」とか美味しそうな言葉があるけど、これは何を使って焼いているのか不明なので、とりあえず「焦がし」ときました(笑)。chaatは何か不明。coolieは、辞書引くと「インド・中国での日雇い労働者、苦労」って出てくるのだけど、このサイドをどう訳すかも全く不明。


焦がした海老とホタテ貝、アボカド(の何か)、
Blackened shrimp & scallops
Avocado chaat | Spicy jack fruit coolie

そして仕上げはほっぺも落ちるデザート~!2種類から選べるので、私はムース、Aさんとのびちゃんはチョコクリームがのったパイに挑戦しました。うーん、ライチのムースなんて初めてだったけど、さっぱりの中にもジューシーで、桃は控えめ、ライチの味と甘みがきちんと活きているとても美味しいムースでした。


桃とライチのムース
Peach and lychee mousse


黒葡萄とヴィンシーチョコレートのパイ
Black currants and vincy chocolate pie

これで$25。恐れることなくお酒もコーヒーも飲めて☆、税金とチップ入れて一人$45で収まりました。なので、そのあとカフェ(なんと24h営業。)に流れて、さらにビールをあおっちゃいました~(幸)。気がついたらシンデレラの時間になってました。

明るく楽しくポジティブにお酒が飲みたいときは、このメンバーは最高です!
人生を笑い飛ばし(半泣笑いのときもあるかも…)、身の回りのことや将来について語り合い、時にはお腹がはち切れそうなくらい笑い、隣のテーブルの人が騒音と思うんじゃないかというくらい興奮し。。居酒屋に行けって言われそうですが。
そういう意味では、かしこまった場所よりも、今回のレストランみたくカジュアルに美味しく楽しめるのっていいなぁと思いました。
プラス、かっこいいウェイターのお兄ちゃんが膝をついてサービスしてくれました!!(→ 場所柄、ゲイかもしれないけどね…) 膝をついているのは彼だけでした。そこでAさん大絶賛(笑)。


5th Elementt
1033 Bay Street (Bay & Wellesley)
Toronto, Ontario, M5S 3A5
Tel : 416-923-8159
Fax : 416-923-8784
Email : info@5thelementt.com

Justice - Law & Order

1月 30th, 2008


ファンには馴染み深いオープニング

お気に入りで日頃みているLaw & Order (法と秩序)というTVドラマがあります。ニューヨーク市警本部を舞台にしたアメリカの刑事ドラマです。扱う事件のカテゴリーによってシリーズ化されており、我が家のケーブルテレビの基本パックで観ることができるのは性犯罪・若年被害者などを扱う「Special Victims Unit (= SVU、性犯罪特捜班)」と、通常の殺人事件を扱い、犯人がなぜこの殺人に至ったのかを暴いていく「Criminal Intent (=犯罪意思)」があります。日本でもケーブルかな?放送しているみたいですね。

再放送をほぼ毎日録画しているのですが、今回観た「Criminal Intent」がとても心に残ったので、早速記録することにします。ストーリーと感想なので、つまらないかもしれませんが。。


左からゴーレン刑事、イームス刑事、殺人課キャプテン、地方検事補

☆ Season 5, #9 “SCARED CRAZY”

コンピュータープログラマーで暗闇閉所恐怖症の兄Robbie ロビー (DJ Qualls)と長年共に暮らしてきた妹は、たまたま知り合った精神科医Katrina カトリーナ(Jennifer Van Dyck)を信頼しロビーに紹介、セッションを開始させる。ある日、彼の働くビルの向かいのITオフィスの若いプログラマーが、帰宅途中の地下鉄の階段で何者かが落とした自動販売機に押しつぶされ死亡。被害者の会社に出入りしていた男性がロビーの同僚だったこと、またロビーが殺人のあった晩に被害者を目撃していたことから、NY市警察殺人課の刑事Goren ゴーレン(Vincent D’Onofrio)とEams イームス(Kathryn Erbe)はロビーに聞き込みを続け、様々な物的証拠からロビーを犯人と断定するが、動機はおろか、彼と被害者を結ぶものが何一つ見つからず…。


ロビー役 DJ Qualls / カトリーナ役 Jennifer Van Dyck

(ここからは相当ネタバレになるので、困らない人だけ読んでね~)

ロビーの行動を追っていくうち、鍵が精神科医カトリーナの自宅で行われた2週間に及ぶ「集中治療」にあることを警察は掴んでいく。彼女はかつて軍の研究施設で働いていた過去を持ち、研究内容こそクラシファイド(軍事機密)として公にされていないものの、「兵士が敵の捕虜となり、拷問を受けても口を割らないようにするための、精神操作の実験」だったのは業界の噂で明らかだった。当時の同僚から、彼女が仕事に嫌気がさし軍を退職、学校に戻って精神科医の資格を得、クリニックを開業したことを聞き出した警察は、彼女がまだ軍部と繋がっておりロビーを実験対称にしていると睨み、家宅捜索を実施する。警察が彼女の家から発見したものとは…?

彼女の家の地下で見つけたのは鍵が何個もかかった不可解な扉。開けるとそこは2畳ほどの広さの、窓のない部屋があった。すえた臭いが部屋中に漂い、それを消すべくかけられたと思われるブリーチ(漂白剤)の臭い、そして中央にはパイプ椅子が一つ、天井にはスピーカーが埋め込まれていた。ロビーの「集中治療」はここで行われ、閉暗所恐怖症のロビーを閉込め、部屋の電気を消し、赤ん坊の泣き叫ぶ声が入ったCDをかけ、自分の意思で排泄することも許されないまま拷問の日々を過ごしたロビー。しかし荒療治と信じているロビーは警察の尋問に決して口を割ろうとはしなかった。セッションから開放されて日常に戻ったロビーは、殺人のあった日、被害者の職場にかかっていた音楽と被害者がヘッドフォンで聞いていた音楽のビートがあの赤ん坊のCDと同じだったことで心のスイッチが入り、音楽をとめたい一心で自動販売機を被害者の上に突き落としたのだった。ロビーは犯行時、善悪の区別がつかない状態・精神不安定であった可能性があるということで、自己防衛が適用されるか否かで不透明のままエピソードは終わったが、そのようにロビーの精神状態を極限に追いやった彼女は、殺人ほう助・監禁傷害の罪で逮捕される。


NY市内ロケが多くて有名らしい(写真は他のエピソードより拝借)

☆ 感想とその他

軍部研究施設時代のカトリーナの仕事は、「どのくらいの拷問に兵士は耐えられるのか、耐えた兵士がその後どういった行動をとるのか」について研究することでした。来る日も来る日も兵士を拷問しなければならなかった彼女は、国を守るための仕事で自分は誇りを持っているのだと固く信じることで日々を過ごしていました。しかしその生活自体が彼女にとっては拷問であり、耐えられず軍を退職したのでした。ロビーに出会ったとき、封印していたと思っていた過去の自分がカトリーナの中に甦ります。それはまるでロビーが「集中治療」のあとに音楽を聞いたことがきっかけで不安定になったように(この治療後の不安定期間を「Psychotic Break」と呼ぶようです)、ロビーの治療の過程が、彼女の中で拷問を与えていた記憶とオーバーラップしてしまうのです。ロビーを治療していると必死で信じているカトリーナでしたが、実際自分がロビーに与えていたものは拷問以外の何物でもなかった、その自分の行為がロビーを殺人者にしてしまった。結局彼女は自分でも気づかないうちに軍部時代の自分のゴールに向かって突進していたのです。

ひと昔前、ブレインウォッシュ(洗脳)という言葉が世間を賑わせていましたね。今はあまり聞きませんが。
きっと世界のどこかで(もしかしたらすぐ近くで)こんな研究はまだ続けられていて、こういう形で被害者が出ているのかもしれません。カトリーナは逮捕されたけれど、彼女も被害者だったのです。ロビーも被害者だった。ここで、観ている側は感情的には二人にとても同情し、責められるべきは軍部でありさらにその先の戦争じゃないか!という感覚になるのですが、検察側の弁護士(地方検事補 Assistant District Attorney = A.D.A.)が、「では殺された被害者への正義はどうなるのか」と問いかけます。動機や理由はどうあれ、殺人を引き起こした、それは紛れもない事実なのだと。それが精神の弱さであろうと何であろうと、選択肢はあったはずで、選択ができたはずなのだと。それがJusticeで、それを守るのが警察の仕事なのだと刑事たちに言い放ちます。

世の中ではいろんな凶悪な事件が起こっています。殺人者は血の通った人間であり、そのほとんどに悲しい背景があり、何もないところから突然起こる殺人はもしかしたら殆どないのかもしれません。通り魔だって、恵まれない家庭環境で育ったことで心が歪んでしまい、ほんの小さなことがきっかけとなって彼らを殺人へと駆り立てたりします。それでも、人の命を奪う権利は誰にもないのです。
Law & Order : Climinal Intent は、まるで殺人者側のストーリーを観客が追体験できるかのように犯人が犯行を犯す理由・背景を克明に追っていくので、ときには犯人が持つストーリーに涙することさえあります。しかし大切なのは、その背景を学ぶことであり、正義を曲げることではないのです。この番組はキャストのセリフを通していつもそれを気づかせてくれます。

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